八卦掌講習会(2)


師曰「中正には、

  1. 身法の中正
  2. 手法の中正
  3. 歩法の中正

があり、今までの講習会では手法・歩法の基礎である身法の中正に焦点を当ててきた」との由。
今回は手法の中正に注意して学習していきましょう、ということで龍形走圏を始めました。
手法の中正で注意すべきは背中の中正で、第一回目で行った龍形走圏の入り方をもって行いました。


龍形走圏


今回個人的に注意されたのは両腕の位置と腰の高さです。両肩を結ぶ線と臍から上の手を結ぶ線が直交する位置にあったのですがコレは間違いで、中正が取れるように修正されました。胸が広くなりました。腰の高さについては、馬歩に近い高さまで押し下げられ「これで行きなさい」との由。ふと歓迎会の席で「『力』を落とすと足腰が弱いので辛くなり、軽くしようと上体に力が入ってしまいます」とお伝えしたら「いや、君の足の強さに問題は無い、それは若い人の気血の性質に拠る問題だ」と仰られたのを思い出しました。

もう一つ意識的に行ったのが両肩の水平を維持する時、どこから直すか。肩を直すのに肩に触れてはいけない。問題は肩より、より根本に近い部分、首にあるので、両肩が斜めになってきたところで首筋を正すように意識したらスッーと水平になりました。


単換掌


師曰「単換掌は動作で分かるとおり、中正の要求が厳しい。旋転で容易に中正を見失いやすい」。

動作の方向について。 ― ― という位置に二本のタオルを置かれ、その真ん中で単換掌の動作をされました。
注意するのは扣歩→擺歩横撞掌で90°近く方向が変わり、擺歩横撞掌から走馬活携で180°と変化していく事、だそうです。


双換掌(平円変化)


指天挿地では背中の中正を保ち、それにより気血が上下に通じる様に。
下勢では背中を開き、気血を通じさせるように。


双換掌(母掌)


『行歩撩衣』で一旦動作を止めさせ、各参加者の姿勢をチェックされていきました。


双換掌変化


中正、背中を大きく開く点に注意して行いました。


熊形走圏


撞掌で発散した気血を丹田に戻します。
両手の位置は円周上を抑えるところまで腰を捻るよう、直されました。





休憩中に、李老師に「5年ほど前に足首を折ってから、深く曲げるのが辛いのですが」と伝えたところ、「いや、(それぐらい前なら)問題ない。」と仰れ、先の龍形と同じ、馬歩なみの低さまでぐんぐんと肩、頭を抑えられて熊形走圏をやりました。
どうも上体が緊張し、足首が不安定なのを見て「真っ直ぐ伸ばし、もっと噛め」と仰られ、言われたとおりに真似をすると、グッと足首の安定感が増し、同時に不安定さゆえの上体の緊張も抜けてきました。この時の走圏のあり方は良かったらしく、周りで観察されていた先輩方に拍手されました。